クラスターにTAの組織が出来て1年経ちました
この記事は、 クラスター Advent Calendar 2023 (シリーズ 1) の16日目の記事です。
昨日の記事は@take1108さんのラボ関係の話でした。 ラボ、文字通り研究所という感じで不思議な機械や工具が沢山あるので傍目で見ていていつもワクワクしています。
はじめに
クラスター株式会社でテクニカルアーティスト(以下、TA)として働いている id:amanatsu-knit です。会社ではacchiと名乗っています。
クラスターでは昨年10月頃にTAの組織が発足されました。
昨年10月発足ということはつまり1年経過したということでもあり、良い機会なので現在時点でTA組織についてご紹介したいと思います
クラスターのTA組織の今
メンバー
現在TA組織の正社員メンバーは私ともう1人↓
の計2名で構成されています。 (業務委託の方も含めると3名)
担当範囲は厳密には取り決めていませんが、TA組織が発足される前に担当していた領域をメインで引き続きサポートしていくような座組になっています。
具体的には私がC向け事業であるプラットフォーム事業の領域、もう1人がB向け事業であるエンタープライズ事業の領域といった具合です。
それぞれの事業がなんなのかは以下資料の9スライド目以降が参考になるかもしれません。
speakerdeck.com
ただし、繰り返しになりますが現状の座組は厳密に取り決められたものではないため、互いに必要に応じて領域に関係なく立ち回れるように努めています。
仕事内容
クラスターのTAの仕事内容は以下のような感じです。
①デザイナーの生産性の向上
②エンジニア・プロダクトマネージャー・プランナー・ディレクター・QAとの連携
③その他TAが必要だと感じたことは全て
関わる範囲が広いことから日頃から扱う技術についても特定の何かに縛られないように意識しており、 DCCツールやUnityはもちろん、Google Apps ScriptやGoogle Analytics、Jenkins、工数管理で使うツールのAPIを扱うこともあります。
ここまではもしかしたら世のTAと呼ばれる職業にはあるあるなことかもしれませんが、中でも特徴的なこととしてクラスターには例えばゲーム会社のように仕様の異なる複数のゲームタイトルを開発するラインがあるわけではなく*1、常に唯一のプロダクトであるclusterを進化させながら運用を続けているという点にあります。
つまり、TAは一生成長が続くプロダクト(!)の超長期の運用を想定した業務改善を無限に続けていくような働き方をすることになります。
また、TAは会社から決まったタスクを与えられるわけではなく、自分たちで課題を見つけ、議論し、優先度を設定して推進していくような働き方も求められます。
そこがクラスターでTAをすることの面白さであり、難しい点でもあると感じています。
ちなみに
もう少し具体的なTAのお仕事内容については過去に私が執筆した記事がクラスターのテックブログで公開されているので、興味がある方はこちらもご参照ください。
tech-blog.cluster.mu
ミッション
そんなTA組織が掲げているミッションはこのようになっています。
1. デザイナーとエンジニアを繋げる翻訳者となる
TAの仕事を説明する際によく使われる「デザイナーとエンジニアの橋渡し」という言葉を自分たちの言葉で表現したもので、「橋渡し」とはつまりデザイナー・エンジニアそれぞれが扱う言葉や技術を”翻訳”することで、相互コミュニケーションにおける潤滑剤のような役目を果たすことと定義しました。
2. 「加速」のValueを守りつつ、「完璧じゃない」状態の品質を底上げする
cluster cultureの一つである「完璧じゃなくていい、圧倒的な速度で世の中にぶつけよう」をTAなりに解釈したもので、整備されたルール、自動化・効率化を達成するツール、それらをユーザー(デザイナー等)に届けることで速度を維持しながらもボトムとなる品質を向上していこうというメッセージが込められています。
3. 人間じゃなくても出来る仕事を粉砕する
もともとTA組織のメインターゲットはデザイナー職であることが多かったためそれを意識して「クリエイティブ以外の業務を粉砕*2する」という内容でしたが、私ではないほうのTAが「加速100」*3という企画で優勝し、そこで挙げた施策をもとにターゲットをデザイナー以外にも広げていこうという方針になったため、より範囲を広げる意味で「人間じゃなくても出来る仕事を粉砕する」としました。意味としてはほぼ書いてる通りです。
課題感
課題はいろいろとありますが、新しい組織が発足したという文脈から「プレゼンスの向上」についてやってきたことをお話しします。
プレゼンスとは要は「存在感」のことで、新しい組織が出来たばかりの頃は特に気を配らなければなりません。
これが疎かになっていると「何をやってるのかよく分からない」「どうやって関わっていけばいいのか分からない」のような印象を持たれてしまい、コミュニケーションや連携が重要なTAというポジションでそのような状態になってしまっては致命的です。
なので、組織発足後は手始めに社内広報的な活動を頑張りました。
幸い、クラスターにはwinsession*4という自チームの成果を全社員に向けて発表出来る会が定期的にあるので、そこでTA組織が発足したこと、メンバー構成の紹介、先ほど挙げたTA組織のミッションや直近の成果を報告を出番が回ってくるたびに繰り返し発表することでプレゼンスの向上を図ることが出来ました。
また、関わり方については社内に既にあった仕組みに則り「TA要望箱」という文字通りTAへの要望を募る目的のJIRAプロジェクトを設置しました。
TA要望箱に投下された要望をTAの定例の中でやる・やらないの判断や優先度設定、担当TAのアサインを行う形でタスク管理を行うようなシンプルな仕組みです。
ここで意識しておかないといけないことはTA要望箱自身にもプレゼンスの向上が必要になるため、slack上で直接メンションが来るたびに「分かりました!対応するのでTAが忘れないように要望箱にも記載しておいてください!」のように事後でもいいからまず記載してもらうようなルールを浸透させることに注力しました。
そうして1年ほど経ったわけですが、今でも「TA要望箱、TA以外からも優先度の判断に介入できるような仕組みって出来ませんか?」との声からJIRAの投票機能を採用して投票数に応じて優先度を調整するような仕組みも導入するなど完璧な状態ではなく、改善も継続して行っているような状態です。
これからもプレゼンスの向上とともに成果を積み上げていけるように努力していきたいものです。
おわりに
人が足りません。
クラスターのTA組織ではこの記事で上げたような仕事内容に興味があり、ミッションに共感できる方を歓迎しています。